この種の制度が多数の使用人を必要とするに違いないことは明かである。その上、彼らはそれほど勤勉でもなく、同じ仕事をするのに他国よりも多くの人が必要であると云われている。その結果として、どんなところでも、使用人の比例は英国の二、三倍である。そして、田舎の農業者は、外見ではその使用人のどれとも区別がつかないのに、時として自己の家族を含めて二十人もの世帯を有つことがある。
従って生活資料が制限されていることは、未婚者よりも既婚者の方が遥かにひどい。そしてかかる事情の下では、商業資本の増加または農場の分割と改良によってより[#「より」に傍点]多量の仕事が既婚労働者に与えられるまでは、下層階級は大いに増加することは出来ない。もっと人口の多い国では、この問題は常に曖昧にされてしまっている。各人は当然に、その隣人と同様な就職の機会があると考え、もしある場所でしくじっても他の場所で成功出来ると考える。従って彼は結婚をし、僥倖をあてにする。そしてその結果はほとんど常に、かくの如くして作り出された過剰人口は貧困と疾病という積極的妨げによって抑圧される、ということになるのである。ノルウェイにおいてはこの問
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