切れるまで、一般に結婚のことを考えるのを思い止《とどま》ったのである。そして三十六歳以下のものは何歳であろうとも兵役に入れることが出来、また士官はとかく最年長者を第一にとるので、人々が自由に身を固め得ると考え得るようになるのはしばしば晩年のことであったであろう。
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 1)[#「1)」は縦中横] ノルウェイに関して私が述べる若干の詳細は、私が一七九九年同国に夏期旅行を試みた際に蒐集したものである。
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 教区牧師は軍役にないものが結婚するのを妨げる法的権力はもたなかったけれども、しかもこの種の裁断権はある程度習慣によって認められ、そして僧侶はしばしば、当事者が家族を養う資力がなさそうに思われる時には、彼らが結婚するのを拒絶したのである。
 しかしながら、この種のあらゆる障害は、法律に発するものであろうと習慣に発するものであろうと、今では全然除かれてしまった。何歳であろうと結婚は全く自由であり、司令官の認可も僧侶の認可もいらない。そして兵役徴集においてはすべての二十歳のものをまずとり、次いですべての二十二歳のものをとる、という風に必要な数が得られ
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