クリスチアニア周辺の地方では、農業方法に非常に大きな改良が行われ、またドロンタイムの近隣地方ですら、人工牧草栽培養が行われるようになってきたが、これは家畜のためにかくも多くの冬期食物の必要な国においては最も重大なことである。ほとんどあらゆる所で馬鈴薯の栽培は成功し、僻地ではなお一般人の愛好物となっていないけれども、その使用はますます普及しつつある。
 農場の分割は、昔よりもむしろ近年の習慣である。そしてノルウェイにおける商品の販路は、おそらく、大農場の完全な耕作を奨励するに足るほど大ではないから、この分割はおそらく、土地の改良に貢献してきたことであろう。ノルウェイの農業が一般に最近著しく進歩したことは、正しい判断を下し得る地位にある人の間で実際|あまねく異論のないことと思われる。そして記録簿は、人口がそれよりも早い速度でこれに随伴したことを示している。一七七五年ないし一七八四年までの十年間を平均して、出生の死亡に対する比率は、一四一対一〇〇であった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかしこれはむしろ急激に過ぎる増加と思われる。けだし翌年すなわち一七八五年は、不作と疾病の年で、死亡
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