亡の人口に対する比率すなわち死亡率、1/b[#「1/b」は分数]は年出生の人口に対する比率、すなわち出生率を示す。
今の場合では、 P=9,287,000; n=10; m=47; [#式(fig45455_05.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから6字下げ]
[#式(fig45455_06.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
従って吾々は、前に推定した一八〇〇年ないし一八一〇年の出生及び死亡の脱漏は、真に近いと考え得よう。
しかしもし、出生六分の一、埋葬一二分の一というこの脱漏が、一八〇〇年ないし一八一〇年の期間につきほとんど正しいと考え得るならば、それはおそらく一七八〇年ないし一八〇〇年の期間にも大して誤りを犯す危険なしに当てはめることが出来、そして出生だけに基づく結論の若干を是正するに役立ち得よう。正確な人口実測に次いでは、死亡以上に出ずる出生の超過による計算が最も信頼し得るものである。実際記録簿が一切の出生及び死亡を含み、そして既知の人口から出発する手段があるならば、それは明かに現実の人口実測と同じことである。そして記録簿の脱漏と国外の死亡についてほとんど正確な斟酌をする場合には、出生の総人口に対する比率――これがかかる頻々たる変化を蒙りやすいことは既にわかっているのであるが――によるよりも、このようにした方が、現実の人口実測に遥かにより[#「より」に傍点]近い計算が得られるであろう。
一七八〇年ないし一八〇〇年の二〇年間に報告された出生の総数は、五、〇一四、八九九であり、埋葬の総数は、三、八四〇、四五五である。前者に六分の一、後者に一二分の一を加えれば、両者は五、八五〇、七一五及び四、一六〇、四九二となる。そして前者から後者を減ずれば、死亡以上に出ずる出生の超過は一、六九〇、二二三となるであろう。この超過を、出生から計算したリックマン氏の表の中の、七、九五三、〇〇〇という一七八〇年の人口に加えると、結果は九、六四三、〇〇〇となるが、これは国外の死亡につき適当の斟酌をしても、なお前に修正した一八〇〇年の人口より遥かに以上であり、また人口実測の結果として得られた表の中の数よりも更にいっそう以上である。
しかし今述べたばかりのより[#「より」に傍点]安全な根拠から出発し、そして一八〇〇年の修正人口を確証されたものと考えて、それから、この場合約一二四、〇〇〇と思われる国外死亡者の蓋然数を引いた二十年間の出生超過を、差引くと、一七八〇年の人口は七、九五三、〇〇〇でなく七、七二一、〇〇〇となる。その数の方が真に近いと信ずべき十分の理由がある1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかも、啻に一七八〇年のみならず、更にその間の多くの年においても、出生による見積りからすれば、人口実測を行えばわかる本当の数よりも、人口はより[#「より」に傍点]大となり増加はより[#「より」に傍点]不規則になるのである。これは、出生の人口に対する比率が変化するものであり、そして一七八〇年及びその後の二十年間の他の時期に、一八〇〇年よりも大であったことから、生じたものである。
[#ここから2字下げ]
1)[#「1)」は縦中横] 一七八〇年と一七八五年との人口の差が極めて小さく表に出ているが、この事実はこれら二つの見積りの一方が誤っていることをはっきり意味するように思われる。
[#ここで字下げ終わり]
例えば一七九五年には、人口は九、〇五五、〇〇〇とされ、一八〇〇年には九、一六八、〇〇〇とされている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかしもし吾々が、第一の数を正しいと仮定し、その五年間の死亡以上に出ずる出生の超過を加えるならば、記録簿の脱漏を少しも斟酌しなくとも、一八〇〇年の人口は九、一六八、〇〇〇ではなく、九、三九八、〇〇〇であったはずであることを見出す。またはもし吾々が一、八〇〇年につき報告された数を正しいとすれば、それから、それに先立つ五箇年間の出生の超過を差引いて、一七九五年の人口は九、〇五五、〇〇〇ではなく、八、八二五、〇〇〇であったはずであることが、わかるであろう。だから出生による一七九五年の見積りは正確であり得ないということになる。
[#ここから2字下げ]
1)[#「1)」は縦中横] Population Abstracts, 1811. Preliminary View, p. xxv.
[#ここで字下げ終わり]
この期間の人口を知るためには、最も安全な方法は、上述の修正を記録簿に当てはめ、また国外死亡として男子出生の四・四分の一を斟酌して、残りの出生超過を一八〇〇年の修正報告数から差引くことである。この場合において、結果は、一七九五年の人口、八、八三一、〇八六となるが、これはこの五年間の増
前へ
次へ
全109ページ中62ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
吉田 秀夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング