、この種族の野蛮さには及ばないと云われている。彼らの時間は全部食物の捜索に費やされる。そして彼らの森林は動物をほとんどまたは全く産せず、また食用植物もほとんど産しないので、彼らは岩を攀《よ》じ登ったり、あてのない魚肉を探すために海辺を徘徊したりすることを、主な仕事としているが、それも暴風雨の季節にはしばしば全く無駄になってしまう。彼らの身長は滅多に五|呎《フィート》を超えず、その腹は膨れ上り、肩は高く、頭は大きく、そして四肢は不釣合に瘠《や》せている。彼らの容貌は、極端な窮状、飢餓と獰猛との恐るべき混合を現わしており、そして彼らの瘠せかつ病んだ姿態は、明かに、健康な食物の不足を物語っている。この不幸な人間中のある者は、飢餓の最終段階に瀕していることが見出されたのである2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Vancouver's Voy. vol. ii. b. iii. c. i. p. 13.
 2)[#「2)」は縦中横] Symes's Embassy to Ava, ch. i. p. 129, and Asiatic Re
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