貧困」に傍点]を恐れる理由は個人にはないのであるから、政府は何らかの方法で法律により人口を抑圧せざるを得ないであろう。そしてこれはあらゆる自然的感情の最大の蹂躪《じゅうりん》であろうから、財貨の共有に対するこれ以上の有力な反対論はあり得ないのである。
[#ここで字下げ終わり]
 その他若干の島々にはちょっとした訪問が行われただけであり、従ってそれに関する記述は不十分であるから、吾々としては、その習慣について詳しく述べることは出来ない。しかし、上述した限りにおいては、これらの習慣は一般に類似していることからして、吾々は、これらの島のあるものには上述の如き甚しい蛮行のあるものがないとはいえ、女子に関する悪習と戦争とが、その人口に対する主たる妨げである、と考える理由を有つのである。
 しかしながらこれが全部ではない。南洋諸島の土人の生活について伝えられている食物豊富な幸福な状態の問題について、私は、この楽天地について時に過大のことが云われるため、吾々の想像は真実以上の点まで行きすぎているものと、考えたい気がする。オウタハイトにさえ欠乏の圧迫が珍しくないというキャプテン・クックの最終航海記の叙
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