横] 第二篇第四章末尾の本表を参照。
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 サア・ウィリアム・ペティは、倍加は、十年というが如き短期間に可能である、と想定している1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Polit. Arith. p. 14.
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 しかし、吾々が全く確実に真理の範囲内にあらんがために、吾々は、これらの増加率の中で最もおそいもの、すなわち一切の共在する証言が一致し、そして生殖のみによるものなることが繰返して確証された一つの率を、とることとしよう。
 従って私は、人口は、妨げられない時は、二十五年ごとに倍加し続け、または幾何級数で増加する、と云って間違いなかろう(訳註)。
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〔訳註〕これとほとんど同一文は 1st ed., p. 21. にある。
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 土地の生産物が増加すると想像される比率を決定することはそれほど容易ではないであろう。しかしながら、これについては、限られた領域におけるその増加率は、人口増加率とは、全然その性質を異にしなければならぬ、と全く確信し得よう。十億人は一千人と全然同じく容易に人口増加力によって二十五年ごとに倍加される。しかし、この大きい方の数字から生じた増加分を養うための食物は、決して小さい方のそれと同様に容易には獲得されないであろう。人間は必然的に余地によって制限される。一エイカア一エイカアと加えられて遂に一切の肥沃な土地が占有された暁には、年々の食物増加は、既に所有されている土地の改良に依存しなければならぬ。これは、一切の土壌の性質上、逓増はせず、徐々に逓減するところの、基金である。しかし人口は、食物がそれに与えられるならば、少しもその力を減ずることなく増加し続け、そしてある時期の増加は次の時期にはより[#「より」に傍点]大なる増加力を与え、かくてはてしなく続くであろう。
 支那や日本について記したものから見ると、人類の勤労をいかによく向けてみたところで、これらの国の生産物は多年を経て一度ですら倍加し得ようかと、立派に疑うことが出来よう。なるほど地球上には、今まで耕作されず、またほとんど占有されていないところが、たくさんある。しかし、これら人口稀薄な地方の住民でさえ、これを絶滅し、またはこれを餓死するに違いない一
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