の統治者が変った。この訪問の際知った酋長でたった一人だけが生きていた。そして調べてみると、自然に死んだのはほとんどなく、その大抵の者はかかる不幸な争いで殺されたものであることがわかった2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。サンドウィッチ諸島における下層階級の人民に対する酋長の権力は、絶対的であるように思われる。他方において人民は彼らに完全に服従し、そしてこの隷従状態は彼らの心身に明かに大きな悪影響を有っている3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。ここでは他の島よりも階級差別は更にはっきりきまっているように思われる。けだし上流の酋長は下層のものに対して、最も傲慢な圧制的な行動を採っているから4)[#「4)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] Cook's Third Voy. vol. ii. p. 247.
2)[#「2)」は縦中横] Vancouver, vol. i. b. ii. c. ii. p. 187, 188.
3)[#「3)」は縦中横] Cook's Third Voy. vol. iii. p. 157.
4)[#「4)」は縦中横] Id.
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フレンドリ諸島やサンドウィッチ諸島で殺児が行われているかどうか、またオウタハイトのエアリイオイ社に似た組織が作られているかどうかは、知られていない。しかし売淫が広く普及しており、下層階級の女の間に著しく行われていることには、間違ない証拠があるようであるが1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、これは常に人口に対する極めて有力な妨げとして作用するに違いない。その時間の大部分を酋長の身辺に仕えて送る召使たるトウトウ2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]がしばしば結婚しないというのは、間違のないことらしい。そして上流人に許される一夫多妻が、下層階級における乱交の罪悪の風を大いに助長し加重する傾向があるに違いないことは、明かである。
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1)[#「1)」は縦中横] Cook's Third Voy. vol. i. p. 401. Vol. iii. p. 130. Missionary Voy. p. 270.
2)[#「2)」は縦中横] Id. vol. i. p. 394.
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