ナも特異な興味ある部分のあるものは、全然手がつけられていないか、またはほんのちょっと論じてあるだけである。人口が常に生活資料の水準に抑止されなければならぬということは、明確に述べてあるけれども、しかしこの水準が実現される色々な仕方を研究したものはほとんどなく、そしてこの原理は十分にその帰結まで追及されたこともなければ、それが社会に及ぼす影響を厳重に検討すればわかって来ると思われる実際的推論を、それから引き出してもいないのである(訳註)。
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〔訳註〕同様なことは、既に第一版序言中の第三パラグラフにおいて、ただしもっと強硬な形で、述べられている。
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 従ってかかる点が、私が以下の『人口論』において最も詳細に取扱った点である。現在の形ではこれは新著と考えてよく、そしてまた私はおそらく、本書に残っている旧著の若干部分を除いてしまって新著として出版してもよかったのであるが、絶えず他の書を参照するの不便を思い、むしろ全一体として纒《まと》めることを考えて、この形としたのである。だから私は第一版の購買者に何もわびる必要はないと信じている。
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