\第一等地、第二等地、第三等地――が、等しい資本及び労働を用いて、小麦一〇〇、九〇、及び八〇クヲタアの純生産物を生産すると仮定せよ。人口に比較して肥沃な土地が豊富にあり、従って、第一等地の耕作を必要とするのみで足る所の、新しい国においては、総純生産物は耕作者に帰属し、そしてそれは彼が前払した資本の利潤たるものであろう。人口が、第二等地――それからは、労働者を支持した後に九〇クヲタアが獲得され得るに過ぎぬ、――の耕作を必要ならしめるほどに大いに増加するや否や、地代は第一等地に発生するであろう。けだしそうならなければ農業資本に対し二つの利潤率がなければならぬことになるか、あるいはある他の目的のために十クヲタアがまたは十クヲタアの価値が、第一等地の生産物から引去られなければならぬことになるからである。第一等地を、土地所有者が耕作しようとまたはある他の人が耕作しようと、この十クヲタアは等しく地代を形造るであろう。けだし第二等地の耕作者は地代として十クヲタアを支払って第一等地を耕作しようと、または何ら地代を支払わず引続き第二等地を耕作しようと、その資本をもって同一の結果を得るであろうからである。
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