フ金を獲得するに同一の分量の労働が常に必要とせられるとしても、しかもなお金は、それによって吾々が正確にあらゆる他の物の変動を確め得る完全な価値の尺度では、あり得ないであろう。けだしそれはあらゆる他の物と正確に同一の固定資本及び流動資本の組合せをもってしても、または同一の耐久力を有つ固定資本をもってしても、生産されないであろうし、またそれが市場に齎され得るまでに、正確に同一の時間を必要としないであろうからである。それは、それ自身と正確に同一の事情の下で生産されるすべての物に対しては完全な価値尺度であろうが、しかしその他の物に対してはそうではない。例えばもし、吾々が毛織布及び綿製品を生産するに必要であると仮定したと同一の事情の下でそれが生産せられるならば、それはこれらの物に対しては完全な価値尺度であろうが、しかしより[#「より」に傍点]少いかより[#「より」に傍点]多いかの比例の固定資本をもって生産された穀物や石炭やその他の貨物に対してはそうではない、けだし吾々が示した如くに、永久的利潤率のあらゆる変動は、その生産に用いられる労働の分量の変動とは無関係に、あらゆるこれらの財貨の相対価値に、
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