轤エれば資本が彼れの事業に流入して来、ついに彼れの利潤は一般水準にまで下落するであろう。しからばかくの如くして公衆は機械によって利益を受けるのである、けだしこの沈黙せる作業者は、それが代位する労働と同一の貨幣価値を有っている時ですら、常にそれよりも遥かにより[#「より」に傍点]少い労働の生産物である。機械のはたらきによって、労賃を騰貴せしめる食料品の価格の騰貴は、より[#「より」に傍点]少数の人々にしか影響を及ぼさないであろう。それは、上例におけるが如く、百名ではなく八十五名に及び、そしてその結果たる節約は製造貨物の価格低減となって現われる。彼らによって製造された機械も貨物も真実価値において騰貴することはないが、しかし機械によって製造されるあらゆる貨物は下落し、そして機械の耐久力に比例して下落するのである。
(二〇)しからば、次の如くわかるであろう、すなわち、未だ多くの機械や耐久的資本が用いられない社会の初期においては、等しい資本によって生産される貨物はほとんど等しい価値を有ち、そしてその生産に必要とされる労働の増減によってのみ、貨物は相互に相対的に騰落するであろう。しかしこれらの高価
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