ゥつ年々百名の人間に支払われる労賃は五、〇〇〇|磅《ポンド》であると仮定すれば、製造業者にとってはこの機械を買うか人間を雇い入れるかは無関心事であろうことは、明かである。しかし労働が騰貴し従って一年間百人の労賃が五、五〇〇|磅《ポンド》に上ると仮定すれば、製造業者は今や躊躇しないであろうことは明かである。機械を買いそして彼れの仕事を五、〇〇〇|磅《ポンド》で済ませるのが彼れの利益であろう。しかし、労働が騰貴せる結果、機械は価格において騰貴し、すなわちそれもまた五、五〇〇|磅《ポンド》に値しないであろうか? それは、もしいかなる資本もその製造に使用されず、そしてその製造者に支払われるべきいかなる利潤も無いならば、価格において騰貴するであろう。例えばもしこの機械が、各々五〇|磅《ポンド》の労賃で一年間その製造に働く所の百名の人間の労働の生産物であり、従ってその価格は五、〇〇〇|磅《ポンド》であると仮定すれば、それらの労賃が五五|磅《ポンド》に騰貴するならば、その価格は五、五〇〇|磅《ポンド》になるであろうが、しかしこれはあり得ないことである。用いられるのは百名以下の人間である、しからざれば
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