アれと異る。もし穀物を生産するに百名ではなく八十名が必要とされるならば、穀物の価値は二〇%、すなわち五、五〇〇|磅《ポンド》から四、四〇〇|磅《ポンド》に下落するであろう。もし毛織布を生産するに、百名ではなく八十名の労働で十分であるならば、毛織布は六、〇五〇|磅《ポンド》から四、九五〇|磅《ポンド》に下落するであろう。大なる程度における永久的利潤率の変動は、多年の間においてのみ作用する原因の結果である。しかるに貨物を生産するに必要な労働の分量の変動は、日々起るものである。機械や道具や建物や原料の生産に[#「生産に」は底本では「生産やに」]おけるあらゆる改良は、労働を節約し、吾々をしてかかる改良の加えられた貨物をより[#「より」に傍点]容易に生産することを得せしめ、従ってその価値が変更するのである。しからば貨物の価値の変動の原因を測定するに当って、労働の騰落によって生み出される結果を全く度外視するのは正しくないであろうが、それに多くの重要さを附するのも同等に正しくないであろう。従って本書の以下の部分においては、時に私はこの変化の原因にも触れはしようが、私は、貨物の相対価値に起るすべての大
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