サの労働によって二十匹の鮭を得るとすれば、またもし狩猟家が使用する武器もまた一〇〇|磅《ポンド》の価値があり、そして十年間保つと計算され、かつ彼もまた十名の人を雇い、これらの人々の一年間の労働は一〇〇|磅《ポンド》であり、また彼らは一日に彼に十頭の鹿を獲得するとすれば、一頭の鹿の自然価格は、全生産物がそれを獲得した人々に与えられる比例は大であろうと小であろうと、それには関係なく、二匹の鮭であろう。労賃として支払われる比例は利潤の問題においては最も重要なものである、けだし労賃が低いか高いかに比例して、利潤は高くまたは低いであろうということは、直ちに判るべきことであるからである。しかし労賃は同時に高くも低くもあるであろうから、それは決して魚及び獣の相対価値に影響を及ぼし得ないであろう。もし狩猟者が労賃として、彼れの獲物の大部分をまたはその大部分の価値[#「価値」は底本では「値値」]を、支払うという口実をもって、彼れの獲物と交換してより[#「より」に傍点]多くの魚を与えるように漁夫に誘うならば、漁夫は、彼も等しく同一の原因によって影響を蒙ったと述べるであろう。従って労賃及び利潤の変動がどうあ
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