フ生産に投ぜられた労働量によって左右されるのである。地代が支払われるから穀物が高いのではなくて、穀物が高いから地代が支払われるのである。従って、地主が彼らの地代の全部を抛棄しても穀価には何らの下落も起らないであろうと云われているのは、正当である。かかる方策は単にある農業者をして紳士の様な生活をすることを得しめるに過ぎず、最も生産力の少い耕作地で粗生生産物を生産するに必要な労働量を減少せしめないであろう。
(二八)地代の形で土地が剰余を産出するという故をもってする、有用なる生産物のあらゆる他の源泉以上に、土地が有つ所の、得点ほど、普通に耳にするものはない。しかも土地が最も豊富であり、最も生産的であり、かつ最も肥沃である時には、それは何らの地代も生み出さない。そしてより[#「より」に傍点]肥沃な部分の本来的生産物の一部分が地代として分離されるのは、その力が衰え、そして労働に対する報酬としてより[#「より」に傍点]少ししか産出しなくなった時においてのみである。製造業者がそれによって援助される自然力に比較すれば欠点と云わるべき所の、土地のこの性質が、その特殊なる優越をなすものとして指摘され来っ
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