私は、改良された機械が突然[#「突然」に傍点]に発明され、そして広汎に使用される、と仮定して来た。しかし事実は、これらの発明は徐々たるものであり、そして資本をその現実の用途から他へ転向せしめるよりはむしろ、節約されかつ蓄積された資本の用途を決定するに作用するのである。
資本と人口との増加ごとに、食物は、その生産の困難の増大によって、一般的に騰貴するであろう。食物の騰貴の結果は労賃の騰貴であり、そして労賃の騰貴ごとに、蓄積された資本が以前以上の比例において機械の使用に向うという傾向が起るであろう。機械と労働とは断《た》えず競争しており、そして前者はしばしば、労働が騰貴するまでは使用され得ないのである。
人間の食物の調達が容易なアメリカその他の多くの国においては、食物が高くその生産に多くの労働が費される英国における如くに、機械を用いんとする大なる誘引はほとんどない。労働を騰貴せしめると同一の原因は機械の価値を騰貴せしめず、従って資本の増加ごとにそのより[#「より」に傍点]大なる部分が機械に用いられる。労働に対する需要は資本の増加と共に引続き増加するであろうが、しかしその増加に比例しては増加しない。その比率は必然的に逓減的比率であろう(註)。
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(註)『労働に対する需要は流動資本の増加に依存し、固定資本の増加には依存しない。これら二種類の資本の間の比例はすべての時、すべての国において同一であるということが真実であるならば、もちろん、雇傭労働者は国家の富に比例するということになる。しかしかかる状態は起りそうもない。技術が進歩し文明が拡大するにつれて、固定資本は流動資本に対しますますより[#「より」に傍点]大なる比例を有つに至る。英国モスリン一反の生産に用いられる固定資本額は、印度《インド》モスリンの同じ一反の生産に用いられるそれよりも少くとも百倍、おそらく千倍もより[#「より」に傍点]多いであろう。そして用いられる流動資本の比例は百倍または千倍より[#「より」に傍点]少いであろう。一定の事情の下においては、勤勉な人民の年々の貯蓄の全部が固定資本に附加され、その場合にそれは労働に対する需要を増加するという影響を少しも有たないであろう、と考えることは容易である。』
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バアトン、『社会
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