税は労賃を騰貴せしめないが、けだしそれは労働者に対する需要の供給に対する比例を変更しないからである、と主張せしめたものは、この意見である。
(一三七)一貨物に対する需要は、その附加的分量が購買されまたは消費されないならば、増加すると言われ得ないが、しかもかかる事情の下において、その貨幣価値は騰貴するかもしれない。かくて、もし貨幣の価値が下落するならば、あらゆる貨物の価格は騰貴するであろうが、けだし、競争者達の各々は、その購買に当り以前よりもより[#「より」に傍点]多くの貨幣を喜んで支出するであろうからである。しかしその価格が一〇%または二〇%騰貴しても、もし以前よりもより[#「より」に傍点]多くが購買されないならば、おそらくは、その貨物の価格の変動がそれに対する需要の増加によって齎されたものであるとは、言い得ないであろう。その自然価格、その貨幣生産費は、真実に、変動した貨幣の価値によって変動したのであろう。需要には何らの増加もなくして、その貨物の価格は当然にその新しい価値に調整されるであろう。
セイ氏は曰く、『諸物はそれまでは下落し得るが、それ以下になれば生産が全然止るかまたは減少されるからそれ以下には下落し得ない最低価格を、生産費が決定することを、吾々は知った。』第二巻、二六頁。
彼は後に曰く、鉱山の発見以来金に対する需要は供給よりも更により[#「より」に傍点]大なる比例で増加したので、『財貨で測ったその価格は、十対一の比例では下落せずして、単に四対一の比例で下落したに過ぎなかった。』換言すれば、その自然価値の下落に比例しては下落せずして、供給が需要に超過したのに比例して下落した(註)。――『あらゆる貨物の価値は常に、需要に正比例し供給に反比例して騰貴する[#「あらゆる貨物の価値は常に、需要に正比例し供給に反比例して騰貴する」に傍点]。』
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(註)もし現実に存在すると同じ金及び銀の分量がありながら、これらの金属がただ什器や装飾品の製造にのみ用いられるならば、それは豊富となり、そして現在よりも極めてより[#「より」に傍点]低廉になるであろう。換言すれば、それを何らかの他種の財貨と交換するに当って、吾々は今に比例してそのより[#「より」に傍点]大なる分量を与えざるを得ないであろう。しかしこれらの金属の多量が貨幣として用いら
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