てより[#「より」に傍点]高いのである。更にもし、鉄器や砂糖や毛織布等がスペインよりも英国においてより[#「より」に傍点]低廉な価格にあるならば、それらの貨物で測定すれば、金は英国においてより[#「より」に傍点]高いのである。かくして金は、観察者が金の価値を測定する媒介物として何を選ぶかに従って、スペインにおいてより[#「より」に傍点]高くもより[#「より」に傍点]低廉にも見えるのである。アダム・スミスは、穀物及び労働をもって普遍的価値尺度なりと刻印したから、当然それに対して金が交換される所のこれら二つの量によって、金の比較価値を測定するであろう。従って彼が二国における金の比較価値を論ずる時には、私は彼が穀物及び労働によって測定されたその価値を意味するものと理解する。
(一三三)しかし吾々は、穀物で測定すれば、金は二つの国において極めて異る価値を有つであろうことを見た。私は、それは富国においては高いということを示さんと努力した。アダム・スミスの意見はこれと異る。すなわち彼は、穀物で測定された金の価値は富国において最も高いと考えている。しかしこれらの意見のいずれが正しいかをより[#「より」に傍点]以上に検討せずとも、そのいずれも、金は鉱山を所有する国において必ずしもより[#「より」に傍点]低くはないということ――これはアダム・スミスによって主張されている命題であるが、――を説明するに足るものである。英国が鉱山を所有し、そして金は富国において最も高い価値を有つものであるというアダム・スミスの意見が正しいと仮定すれば、金は当然に英国からすべて他国へその財貨[#「財貨」に傍点]と交換して流出するであろうけれども、それらの国よりも英国においては穀物及び労働と比較して金[#「金」は底本では「穀物」]が必然的により[#「より」に傍点]低廉であるということにはならないであろう。しかしながら他の場所においてアダム・スミス[#「アダム・スミス」は底本では「アダムス・ミス」]は、スペイン及びポルトガルではヨオロッパの他の地方におけるよりも貴金属は必然的により[#「より」に傍点]低廉であるが、けだし両国は貴金属を生産する鉱山のほとんど独占的所有者であるから、と云っている。『封建制度がなお引続き存在しているポウランドは、今日、アメリカ発見以前の状態と同様に貧しい国である。しかしながら、ポウラ
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