国においては、かかる紙幣の発行はその所持人の要求次第それを正金で支払う義務を有つとはいえ、しかも、彼らの銀行券も鋳貨も共に、紙幣の流通を制限する妨げが働かないうちに、唯一の法貨たる鋳貨に対する造幣料の全額だけ減価されるべきことを、述べなければならない。もし金貨の造幣料が例えば五%であるならば、通貨は、銀行券の濫発によってそれを地金に熔解するために鋳貨を要求するのが銀行券の所持人の利益となるに先立って、実際五%だけ減価されるであろうが、これは金貨に対して何らの造幣料もないか、または造幣料が課せられたとしても、銀行券の所持人がそれと引換えに、鋳貨ではなく地金を、三|磅《ポンド》一七シリング一〇ペンス二分の一の造幣価格で請求し得る場合には、吾々が決して曝されることなき減価である。かくて英蘭《イングランド》銀行が所持人の欲するままに、その銀行券を地金または鋳貨で支払うべく強制されていない限り、銀貨に対して六%すなわち一オンスにつき四ペンスの造幣料を課するが、しかし金は全然無料で造幣局に鋳造させるということを命ずる所の、最近の法律は、最も有効に通貨の不必要な変動を予防するであろうから、おそらく最も適当なものであろう。
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第二十八章 富国及び貧国における、金、穀物、及び労働の比較価値について
(一三一)アダム・スミスは曰く、『金及び銀は、すべての他の貨物と同様に、最高の価格がそれに支払われる市場を当然に求める。そしてこの最高の価格は、これを支払う余裕が最もある国においてあらゆる物に与えられる。労働はあらゆる物に対して支払われる窮極的価格であることを、記憶しなければならない。そして労働の報酬が等しくよい国においては、労働の貨幣価格は労働者の生活資料のそれに比例するであろう。しかし金及び銀は、貧国よりも富国において、生活資料の供給が相当でしかない国よりもそれを豊富に有っている国において、より[#「より」に傍点]多量の生活資料と当然交換されるであろう。』
しかし穀物は、金、銀、その他の物と同様に一貨物である。従ってもしすべての貨物が富国において高い交換価値を有つならば、穀物はそれから除外されるはずはない。従って吾々は、穀物は高価であるから多量の貨幣と交換されたのであり、また貨幣もそれが高価であるから多量の穀物と交換されたのであると、正しく言い得ようが、これ
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