左右されるからである。かくてその唯一の影響は、毛織物業者の一部分の利潤を通常利潤率以上に増加せしめることであろう。この制度はその公正な利潤を奪われ、そして社会の他の部分は同一の程度に利益を受けるであろう。さてかかるものがまさに我国の銀行制度の影響である。一利子率が、市場で借りられ得る率以下に決定されており、そして銀行は、この率で貸付けなければならず、しからざれば全然貸付けてはならないのである。銀行制度というものの性質からして、それはかくの如くして処分し得るに過ぎない大きな資金を有っている。そして我国の商人の一部分は、市場価格によってのみ影響されなければならぬ者よりより[#「より」に傍点]少い費用で、取引の用具を手に入れ得るために、不当に、そして国に対しては不利益になるように、利益を受けているのである。
全会社が営み得る全事業は、その資本、すなわち、生産に用いられる粗生原料品、機械、食物、船舶等、の分量に依存する。良く調整された紙幣が行われるに至った後は、これらは銀行業の作用によっては増加されも減少されもし得ない。かくてもし国家がその国の紙幣を発行するものとするならば、それが一枚の手形も割引かず一シリングを公衆に貸付けなくとも、吾々は同一量の粗生原料品や機械や食物や船舶を有っているはずであるから、取引額には何らの変動も起らないであろう。そしてまたおそらく、法定率が市場率以下である時には実際必ず法定率たる五%ではなく、貸手と借手との間の市場における公正な競争の結果たる六、七、または八%で、同額の貨幣が貸付けられ得よう。
アダム・スミスは、現金勘定によってなすべきスコットランド式資金融通方法が、イングランド式に勝ることから、商人が得る便益について、語っている。かかる現金勘定は、スコットランドの銀行業者がその顧客に、彼らのために彼が割引する手形を加えて、与える所の信用である。しかし銀行業者は、彼が貨幣を前貸してそれを一つの方法で流通界へ送出すに比例して、他の方法でそれだけを発行することを妨げられるのであるから、その便益が何であるかを認知することは困難である。もし全流通が単に百万の紙幣を支え得るに過ぎないならば、百万が流通されるに過ぎないであろう。そして銀行家にとっても商人にとっても、全体が手形の割引によって発行されるか、または、一部分がかくの如くして発行せられ、その残り
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