はない。最大活力の状態に達した時には、そのより[#「より」に傍点]以上の進歩は実際阻止されるかもしれないが、しかしその自然的傾向は、幾時代に亘り引続きその富と人口とを減少せしめずに維持するにあるのである。
 大なる資本が機械に投ぜられている富みかつ力強い国においては、それに比して極めてより[#「より」に傍点]少い分量の固定資本と極めてより[#「より」に傍点]多い分量の流動資本が存在しており従ってより[#「より」に傍点]多くの仕事が人間の労働によってなされる所の貧しい国におけるよりも、貿易上の激変によってより[#「より」に傍点]多くの苦痛が経験されるであろう。それが投ぜられているある職業から流動資本を引去ることは、それから固定資本を引去ることほどに困難ではない。ある製造品のために作られた機械を他の製造品のために向け換えることはしばしば不可能であるが、しかし一つの職業における労働者の衣服や食物や住居は、他の職業における労働者の支持にも当てられ得、すなわち同一の労働者が、その職業は変化しても同一の食物や衣服や住居を受け得るのである。しかしながら、このことは富める国の甘受すべき一害悪であり、そしてそれに不平を云うのは、あたかも富有な商人が、その貧しい隣人の小屋はあらゆるかかる危険から免れているのに彼れの船だけは海難の危険に曝されている、ということを悲しむと同様に、不合理であろう。
(九四)農業ですら、より[#「より」に傍点]劣れる程度でではあるが、この種の事故を免れることは出来ない。諸国間の通商を中絶せしめる商業国における戦争は、しばしば、穀物が僅小の費用で生産され得る国から、かかる有利な位置にない他の国へ輸出されることを妨げる。かかる事情の下においては、異常な資本量が農業に引去られ、そして以前の輸入国が外国の援助を失うに至る。戦争の終了と共に輸入に対する障害が除去され、そして国内耕作者にとって破滅的な競争が始《はじま》り、この耕作者はこの競争から、その資本の大部分を犠牲にすることなくしては退き得ない。国家の最良の政策は、国内耕作者に漸次に彼れの資本を土地から引去る機会を与えるために、限られた年数の間、外国穀物の輸入に対して、時々減額されて行く租税を課することであろう(註)。かくの如くすれば国はその資本を最も有利に分配しているわけではなかろうが、しかしその国が蒙る一時的租税
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