キるならば、あらゆる市場における貨幣の豊富は、その各々において同様の結果を生ずるであろう。もし肉が二〇%騰貴するならば、パン、麦酒《ビール》、靴、労働、及びあらゆる貨物もまた二〇%騰貴するであろう。各職業に同一の利潤率を確保するためにはそれらがそうなるべきことが必要である。しかしこれらの貨物のいずれかが課税されている時にはこのことはもはや真実ではない。もしその場合にはそれらがすべて貨幣価値の下落に比例して騰貴するならば、利潤は不平等になるであろう。課税貨物にあっては利潤は一般水準以上に高められ、そして資本は一職業から他の職業に移転されついに利潤の平衡が囘復されるに至るのであるが、このことは相対価格が変動した後にのみ起り得ることである。
この原則は、英蘭《イングランド》銀行兌換停止中における、貨幣価値の変動によって貨物の価格に対し生ぜしめられたといわれている種々なる結果を、説明するものではないであろうか? 紙幣流通が過剰であったために通貨がその期間減価された、と主張した人々に対しては、もしそれが事実であるならば、すべての貨物[#「貨物」は底本では「貨幣」]は同一の比例で騰貴すべきはずであった、という反対論がなされた。しかし多くの貨物は他のものよりも極めてより[#「より」に傍点]多く変動したことが見出され、そしてこのことからして、物価騰貴は貨物の価値に影響を及ぼす何ものかによるのであって、通貨の価値の変動によるのではないと、推論されたのである。しかしながら、吾々が今見た如くに、貨物が課税されている国においては、それは、通貨の価値の騰貴の結果であるにしても下落の結果であるにしても、必ずしもすべて同一の比例で価格が変動するものではないことが、分るのである。
(七六)もし農業者の利潤を除きすべての職業の利潤が課税されるならば、粗生生産物を除くすべての財貨は貨幣価値において騰貴するであろう。農業者は以前と同一の穀物所得を得、そして彼れの穀物をもまた同一の貨幣価格で売るであろう。しかし彼は、穀物を除き彼が消費するすべての貨物に対して附加的価格を支払わざるを得ないであろうから、それは彼にとり一つの消費税であろう。彼はまた貨幣価値の変動によってもこの租税から免れないであろう。けだし貨幣価値の変動は、あらゆる課税貨物をその以前の価格にまで下落せしめるであろうが、しかし課税されないもの
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