法によって、彼が、安逸と現在の利益とのために、その所領の将来の人口と、従ってまたその収入の将来の増加とを、犠牲にしていることは、明かである。
しかしながら、近年多数の貴族が、この国の耕作の進歩に最大の努力を払ったカザリン女帝の教訓と先例に主として刺戟されて、その所領の改良と人口増加とにより[#「より」に傍点]多く留意するに至ったことは、確かである。女帝は多数のドイツ移民を招致したが、これは啻に人口を奴隷に代えて自由市民たらしめるに寄与したのみならず、更に、おそらくもっと重大なことであるが、ロシアの農民に全然未知のものたる、勤労と、その勤勉の発揮方法との、範例を打樹《うちた》てるに寄与したのである。
かかる努力は全体として大成功を収めた。そして先女帝の治世とその後とで、ロシア帝国のほとんどあらゆる地方に、耕作と人口との著しい増加が進行中であることは、疑い得ないところである。
一七六三年には、人頭税による人口推算は、一四、七二六、六九六という人口を示し、同じく一七八三年のそれは、二五、六七七、〇〇〇という人口を示しているが、これは、もし正確であるとすれば、極めて莫大の増加を示す。しか
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