ロンドンの恐るべき疫病《ペスト》の影響は、十五年または二十年後にはもはや眼につかなくなってしまった。トルコやエジプトが、週期的にこれを荒廃せしめる疫病《ペスト》のために、平均して遥かに人口が減っているかどうかは、疑ってもよかろう。もしこれらの諸国の人口が従前よりも今の方が著しく少いならば、それは、疫病《ペスト》によって蒙る損失よりもむしろ、彼らを悩ます政府の圧政と暴政、及びその結果たる農業の阻害に、帰せらるべきものである。支那、インド、エジプト、その他の諸国の最も破壊的な飢饉の痕跡も、あらゆる記録によれば、極めて短時日にして消滅し、また噴火や地震の如き最も恐るべき天災も、それが住民を駆逐しまたはその勤労の精神を破壊するほど頻発しないならば、いかなる国家の平均人口にも軽微な影響しか与えないことは、人のよく知るところである(訳註)。
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 1)[#「1)」は縦中横] 二六八―二六九頁参照。
〔訳註〕ここまでが第一版の第六章に該当するところであり、これ以下は第七章に該当する。第一版第七章は伝染病に関する観察から始まるが、この第七章冒頭の部分は第二版以下では削除された。それ
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