Aそれらは共に当てにならぬ指針である。出生は外見的により[#「より」に傍点]規則正しく見えるので、政治的統計家は一般に、死亡に優先してこれを彼らの推算の基礎として採用している。ネッケルは、フランスの人口推算に当って、伝染病や移民は死亡における一時的差異を惹起すものであり、従って出生が最も確実な基準である、と云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかし記録簿における出生の外見的な規則性という事情こそが、時として大きな誤りに導くであろう。もしある国において、二、三年まとめての埋葬の記録簿を手に入れ得るならば、疫病《ペスト》や致命的伝染病は常に自《おのずか》らわかるであろう。それはその間には死亡が突然増加し、その後には更にいっそうそれが減少するからである。吾々はもちろんかかる外見からして、極めて短期間における大きな死亡率をそのまま包含してはならぬことに気がつく。しかし、出生の記録簿には、この種の指導は何もない。そして一国がその人口の八分の一を疫病《ペスト》によって失った後には、その後五、六年間の平均は出生数の増加を示し、従って吾々の計算は、人口の最も少かったちょうどその時に最大の
前へ
次へ
全434ページ中233ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
マルサス トマス・ロバート の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング