作用の増大こそが、当時の事情上吾々の期待すべきものである。人口増加率、気候の自然的健康性、及び都市と工業の状態が、ほとんど同一と思われる二国において、貧困の圧迫の強い方の国は、出生、死亡、結婚の比率も大である、という命題ほど、議論の余地なき命題はおそらくないであろう。
しからば、従来想像されているように、一八〇二年以来フランスの出生率が三分の一であるからといって、ネッケルはその乗数として二五・四分の三ではなく三〇という数を用うべきであった、ということにはならない。もし革命前及び革命以来のフランスの労働階級の状態について述べた説明が幾分でも事実に近いとすれば、右の両時期における人口の増進速度はほとんど同一であるように思われるから、現在の出生率はネッケルの書いた時期には当てはめ得ないであろう。同時に、彼れの採用した乗数が低過ぎるということも、決してあり得ぬことではない。フランスの人口が、一七八五年から一八〇二年に至る間に、二千五百五十万から二千八百万に増加したとは、いかなる事情の下においても信ずることは出来ない。しかしもし吾々が、乗数が当時二五・四分の三でなく二七であると認めるならば、こ
前へ
次へ
全434ページ中180ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
マルサス トマス・ロバート の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング