傍点]と呼ぶべきものである、と彼は云い、そして彼はその結果として生じなければならぬ必然的不可避的な不幸を痛感するの余り、男子が四十歳まで結婚することを禁じ、そして四十歳になった時には、六人や八人も子供を産まないで、二人か三人しか産まない『老嬢[#「老嬢」に傍点]』とだけ結婚を許す法律が、制定さるべきである、と考えているのである。
私は、彼がこの問題を論じた真面目さ、ことにその結論の提案には、感心せざるを得なかった。彼は過剰人口から起る窮乏を非常に強く目に見、体験したからこそ、かかる過激な救治策を提案したのに違いない。訊ねてみたら、彼自身非常に早婚をしたことがわかった。
この問題に関する理論的知識の点で、彼が誤を犯した唯一の点は、その推理を余りにも不毛な山勝《やまがち》な地方に限定しすぎ、それを平野にまで及ぼさなかったことにあった。おそらく彼は、肥沃な所では、穀物や仕事が豊富なので、この困難は除去され、そして早婚が許される、と考えたのであろう。平野にそれほど住んだことがないので、彼がこの誤に陥ったのは当然であった。ことにこの平野では、この難点は、啻に問題の範囲が広汎であるため、いっそ
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