………………………………………二八・五分ノ三――一
レヴァル……………………………………………二九――一
トボルスク県………………………………………四四――一
トボルスク市………………………………………三二――一
同     (一七八三年)……………………二二・四分ノ一――一
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 ロシアの諸州の大部分においては年死亡率は六〇分の一であると結論し得よう、とヘルマン氏は云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] 〔Nova Acta Academiae&, tom. iv.〕
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 この平均数は極めて高く、そして特定州の比率のあるものは極めて異常であるから、これを正確と信ずることは不可能である。しかしながら、それ以後の表は、トゥック氏によれば、全ロシアの一般死亡率を五八分の一としているから、これにより右の表はほぼ確証される1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかしトゥック氏自身は記録簿のうちのこの特殊部門の正確さを疑っているように思われる。そして私はその後、信ずべき筋から、死亡の脱漏はあらゆる州において出生の脱漏より遥かに大であり、従って出生の非常に大きな超過と、非常に小さな死亡率とは、単に外見に止って真実ではないと信ずべき理由のあることを聞いた。多くの子供が、特にウクライナでは、僧侶に届出でずに、その父親によってひそかに埋葬されるという。多数の補充兵の招集がたびたび行われて、多数の人民を連れていくが、その死亡は記録されない。帝国の各地方に一家を挙げて移住するものが頻々とあり、またシベリアに罪人を送るので、旅行中に死んだり、正規の記録のおいてない所で死んだりするものが、必ず多いに違いない。またある脱漏は、出生を登録することには興味をもつが死亡を登録することには興味をもたぬ教区僧侶の怠慢に帰せられている。
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 1)[#「1)」は縦中横] View of the Russian Empire, vol. ii. b. iii. p. 148.
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 私はなお、これらの理由に加うるに、各州の人口はおそらく、そこにある各所領に属する隷農の数によって推定されているらしいという事実をもってしたい。しかし彼ら隷農の大部分が都市に移住する許可を有っていることは、周知の事実である。従って彼らの出生は地方に現われるが、死亡はそうはならない。都市の外見的死亡率はこの移住に比例しては増加しないが、けだしそれは現住人口調査に従って計算されるからである。都市の死亡表は、正確に、これら都市に現住する一定数の中での死亡数を示すけれども、しかし地方の死亡表は、その州の推定人口の中での死亡数を示すことになっているのであって、実際は、推定人口のかなりの部分は現住していないのであるから、これよりも遥かに小さな人口の中での死亡数を示すに過ぎないのである。
 ペテルスブルグでは、一七八四年の調査によれば、男子の数は一二六、八二七、女子の数はわずかに六五、六一九であることがわかった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。従って男子の比率はほぼ二倍であるが、これは家族を田舎に残して都市に人頭税を稼ぎに来る者が多いのと、貴族の間に、莫大な数に上るその隷農を、ペテルスブルグやモスコウに家僕として留めておく習慣があるのとによって、生じたものである。
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 1)[#「1)」は縦中横] 〔Me'moire par W. L. Krafft, Nova Acta Academiae&, tom. iv.〕
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 ロシアにおける出生数の全人口に対する比率は約二六分の一であって、他国の一般平均と異ならない1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Tooke's View of the Russ. Emp. vol. ii. b. iii. p. 147.
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 前に引用したヘルマン氏の論文によると、満一年以内に死亡する男児の比率は、ペテルスブルグでは五分の一、トボルスク県では十分の一、トボルスク市では三分の一、ヴォログダ大僧正管区では一四分の一、ノヴゴロドでは三一分の一、ヴェロネッシュでは二四分の一、アルハンゲルでは五分の一である。これらの州のあるものでは幼児の死亡率は小であるが、特に計算に大きな誤りがあるようには思われないから、一般死亡率は小であると信じてよかろう。スウェーデンでは、全国を通じて、満一年以内に死亡する幼児の比率は、五分の一またはそれ以上である1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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