B全国を通じて平均すれば、全人口に対する年死亡の比率は、わずかに四八対一に過ぎない2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]。それにもかかわらず、ノルウェイの人口は、決して著しく急速には増加していないように思われる。それは、最近十年ないし十五年間、増加し始めている。しかし、それまではその増加は極めて緩慢であったに違いない、けだしこの国が開けたのは極めて早いことであり、しかも一七六九年にその人口はわずか七二三、一四一なのであるから3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] ロシアの記録簿はもっと低い死亡率を示しているが、しかしそれには欠陥があると思われている。しかしながら英蘭《イングランド》及びウェイルズでは、一八二〇年をもって終る十年間には、死亡率はノルウェイよりも更に低かった。(訳註――『しかしながら』以下は第六版のみに現わる。)
2)[#「2)」は縦中横] 〔Thaarup's Statistik der Da:nischen Monarchie, vol. ii. p. 4.〕
3)[#「3)」は縦中横] Id. table ii. p. 5.
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その国内経済に関する検討に立入るに先立って、吾々は、この国の人口に対する積極的妨げは極めて小であったのであるから、予防的妨げはそれに比例して大であったに違いない、と信ぜざるを得ず、従って吾々は記録簿から、全人口に対する年結婚の比率が、一三〇対一であり1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、これはスイスを除くいかなる国の記録簿に現われているものよりも小なる結婚比率であることを、見出すのである。
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1)[#「1)」は縦中横] Id. p. 4. 年結婚の総人口に対する比率は、全く正確なものというわけではないが、予防的妨げの作用の最も明瞭な基準の一つである。概言すれば、予防的妨げはこの基準から推測し得るよりも大きい。けだし結婚率の低いヨオロッパの健康国においては、かかる結婚の時期に達している年長者の数はより[#「より」に傍点]多いけれども、これは青春期未満のものの比率がより[#「より」に傍点]低い事実によって相殺されて余りあろうからである。ノルウェイの如き国においては、二〇歳ないし五〇歳のもの、換言すれば最も結婚しそうな年齢
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