活の中平等が大なる程度に行われている部分においては、食物獲得の困難と不断の戦争の苦労とは、文明社会の下層階級の人民の行う労働に劣らぬ程度の労働を必要ならしめる、――もっともその労働は文明社会でははるかに不平等に分配されているけれども。
 しかし吾々は、人類社会のこれら二階級の労働を比較することは出来ようが、彼らの辛苦や苦悩は比較を許さないであろう。この点を最もはっきりさせてくれるものは、アメリカの蒙昧人のより[#「より」に傍点]低級な種族における教育の全方針であるように私には思われる。最も甚だしい苦痛や不幸の下にあって最強の忍耐心を教えるに役立つあらゆるもの、心情を硬化し同情心の一切の源泉をとざす傾向あるあらゆるものこそが、蒙昧人に最も熱心に教え込まれる所である。文明人はこれと反対に、害悪が起った時には忍耐をもってこれを堪え忍ぶことを教えられはしようが、しかし常にそれを予期するようには教えられていない。剛毅の外になお他の徳の発揮が要求される。彼は、困窮に際し、隣人のことを、またはその敵のことさえ、同情するように、その社会的感情を促進し拡大し、そして一般的に云えば、愉快な情緒の領域を拡張
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