狽アこで字下げ終わり]
 かくて、人口増加に対する大きな妨げは、乱交、殺児、及び戦争の三罪悪であることがわかるが、その各々は非常に大きな力で働いているのである。しかしかかる原因が、生命を予防し破壊する上にいかに大きな力をもつとはいえ、それらは常に人口を生活資料の水準に保っていたわけではない。アンダスン氏によれば『この島は極度に肥沃であるにもかかわらず、飢饉はしばしば起り、その際には多くのものが死ぬと云われている。これが季節の不順によるか人口過剰によるか(それは時にはほとんど必然的に起らなければならないが)、または戦争によるかは、私はまだこれを決定することが出来ない。もっとも事の真相は、彼らが、食物が豊かな時でさえこれを非常につつましく用いることから、十分推察することが出来ようが1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。』ウリイティアで酋長と会食した後、キャプテン・クックは、一同が席を立った時に、平民が大勢下に落ちたパン屑を拾いに雪崩れ込んで来て、細かいかけらまで余さず探し廻っているのを見た。彼らのうちのある者は毎日船にやって来、そして殺した豚の内臓を貰うために屠夫の手伝いをした。一般に屑
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