ェ歳としているが、これは云うまでもなく、多数の女子をして独身生活を余儀なくさせるに違いない。けだし三十七歳の男子は決して十八歳の女子ほど多くはあり得ないからである。しかも、彼は男子の婚期をかくもおそく定めたけれども、彼はそれでも子供の数が多くなり過ぎるかもしれぬと考え、各結婚に許される子供の数を調制すべきことを提議し、もし女子が指定数を産んだ後に姙娠するならば胎児が生れないうちに堕胎を行うべきことを提議している。
 国家のために子供を産む期間は、男子にあっては五十四または五十五歳をもって終るべきであるが、けだし老齢者の子供は若過ぎる者の子供と同様に、身心共に不完全であるからである。両性が指定の年齢を過ぎた時にも、彼らは関係を続けることは許される。しかしプラトンの共和国におけると同様に、その結果たる子供は産んではならぬのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] Aristotelis Opera de Repub. lib. vii. c. xvi.
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 アリストテレエスは、プラトンが法律に関するその著において提議した共和国の長所を論じつつ、プラトンは人口問題に決して十分な注意を払っていないと云い、また、子供の数を制限することなくして財産を平等ならしめることの矛盾を、非難している。この問題に関する法律は、財産が平等化されている国家においては、他の国家におけるよりもはるかに明確かつ正確なることを要する、とアリストテレエスは云っているが、これは非常に正しい。通常の政府の下においては、人口の増加は単に土地所有をいっそう細分せしめるだけであろう。しかるにかかる共和国においては、土地が平等な、いわば基本的な部分にまで圧縮されているので、それ以上細分することが出来ないから、過剰なものは全く衣食に事欠くであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] De Repub. lib. ii. c. vi. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 87. 原文参照の煩を好まぬ人々の便宜のために、私は同時にギリイズの飜訳を引用するが、しかし彼れの目的は自由訳であるため、ある章句は全然省略されており、またある章句に彼は文字通りの意味を与えていないところがある。
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 次いで彼は、あらゆる場合において子供の比例を調制し、もってそれが適当な数を超過しないようにすることが、必要であると云う。このことをなすに当って、死亡と不姙とはもちろん考慮に入れられなければならない。しかし、一般の国家における如くに、各人が欲しいだけの子供を自由に持ち得るならば、その必然的結果は貧困でなければならず、そしてこの貧困は悪事と暴動の母である。この理由によって、最も古い政治学者の一人、コリントのフェイドンはプラトンのそれとは正反対の規定を採用し、そして財産を平等化せずして人口を制限したのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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 1)[#「1)」は縦中横] De Repub. lib. ii. c. vii. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 87.
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 最も健全な制度として市民の間に富を平等にすることを提議したカルケドンのファレアスについてその後の方で論ずる際に、彼は再びプラトンの財産に関する規定に言及し、かくの如くに財産の範囲を規定せんとする者は、同時に子供の数をも規定することが絶対に必要であることを無視してはならぬ、と云っている。けだし、もし子供が彼らを養う資料以上に増殖するならば、この法律は必然的に蹂躪され、諸家族は突如として富裕から乞食の状態に追い込まれるであろう――これは公共の安寧にとり常に危険なる革命である、と1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、「1」が底本では「2」]。
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 1)[#「1)」は縦中横] De Repub. lib. ii. c. vii. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 91.
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 これらの章句から見ると、アリストテレエスは明かに、人類の強大な増加傾向が、厳重なかつ積極的な法律によって妨げられない限り、財産の平等に基礎を置くあらゆる制度にとり、絶対に致命的であることを認めたことがわかる。そしてこの種のあらゆる制度に対する最も有力な反対論は、確かに、アリストテレエス自身が提議せる如き法律が必要だという事実である。
 彼がその後スパルタに関して述べている所から見ると、彼が人口原理を
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