である。一三、一四、及び一五はいわゆる穀物論争または地代論争に関するものであり、その論敵は主としてデイヴィッド・リカアドウであった。その中《うち》特に一四は、これあるが故に、マルサスは差額地代説の創説者の一人と称せられるのであり、これは元来東印度大学における彼れの講義に由来するものであって、後にそれは拡大されて一七の中に包含された。なお彼は一七を訂正増補する意図をもって加筆していたが、それは生前には出版されず、死後に至ってようやく出版された。それが一八である。彼はこの一七において既にリカアドウと価値について大いに争っているが、一九は端的にこのリカアドウとの価値論争の産物であり、一七において支配労働と穀物価格との中項をもって価値の尺度となした見解をここで改め、支配労働こそが価値の不変的尺度であると主張している。二〇及び二一は云うまでもなく百科辞典への寄稿であり、二一の内容は二五において再現されているが、しかし二五は彼自身の手になる出版ではないように思われる。
右によって知られる如くに、マルサスはリカアドウと多年にわたって地代や価値やその他多くの問題について論争した。それは著書やパンフレ
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