ncient Nations. (Political Discourses. Edinburgh 1752: −−−− Discourse X.)
Robert Wallace, Various Prospects of Mankind, Nature, and Providence. 1761.
Adam Smith, An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations. 1776.
Richard Price, Observations on Reversionary Payments, etc. London 1771 ; 2nd ed., 1772 ; 3rd ed., 1773 ; 4th ed., 1783 ; etc.
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 論議を進めていく中《うち》に、私は当然に、この原理が現存社会状態に及ぼしている影響を、いささか検討してみるようになった。あらゆる国民の下層階級に見られる貧困と窮乏と、及び上流階級が何度彼らを救済しようと努力しても失敗する事実とは、これによるもののように思われた。こういう風に私がこの問題を考えれば考えるほど、それはいよいよ重大性を帯びるように見えた。そしてかかる考察は、『人口論』がかなり公衆の注意を刺戟した事実と相俟って、私をして、この問題をもっと一般的に例証し、かつそれを現実の事態に適用して経験上誤りないと思われる推論をそれから下すことによって、これにもっと実際的な永久的な興味を与えることが出来ようという気持で、私の暇の際の読書を、人口原理が過去及び現在の社会状態に対して及ぼした影響を歴史的に検討することに、向ける決心をさせたのである。
 この研究をしている中に、私には、『人口論』をはじめて著した時に知っていたよりも遥かに多くのことが、今までになされていることが、わかった。既に早くプラトン及びアリストテレエスの時代に、人口の過急の増加から生ずる貧困と窮乏とは明確に認められ、また最も乱暴な救治策が提案されていた。そして近年では、、この問題は、それがもっと公衆の注意を刺戟しなかったのが、当然に変だと思われるくらいに十分に、フランスのエコノミストのある者や、時にはモンテスキウや、また我国の著者の中では、フランクリン博士、サア・ジェイムズ・スチ
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