主義論、産児調節論として大きな実践的結果を挙げることとなるのである。
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1)[#「1)」は縦中横] Francis D. Longe ; A Refutation of the Wage−Fund Theory etc. London 1866.
William Thomas Thornton ; On Labour, Its wrongful Claims and rightful Dues etc. (2nd ed.) London 1870.
J. S. Mill ; Thornton on Labour and its Claims. Fortnightly Review, for May, 1869.
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俗流化常識化された労賃基金説の宣伝用特別版の作者は、一八七七年に設立された『マルサス主義連盟』に集まったもの、なかんずくC・R・ドライスデイル及びアンニ・ベサント夫人である。彼らはこの国際的組織に拠って、反社会主義と産児調節の宣伝のために倦むことを知らぬ活動を続けた。そしてそのために、多数の集会や講演会を催し、各種の印刷物を無数に印刷配付し、社会主義者と果敢執拗な闘争を行い、また法廷事件を利用してその勢力を増大することを忘れなかった1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。
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1)[#「1)」は縦中横] 『連盟』の出版物中で最も有名なのは、その機関誌 The Malthusian 及びパンフレット Annie Besant, The Law of Population etc. であり、また法廷事件として最も有名なものは "Fruits of Philosophy" case 及び Dr. Allbutt case. である。
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マルサス説は再転してその第三期に入る。それはすなわち第二十世紀におけるマルサス主義であり、または帝国主義時代におけるそれである。
第二十世紀は恐慌と窮乏の時代であり、侵略的戦争の時代である。それはかくて『持てる国と持たざる国』の理論を作り上げ、過剰人口の圧迫による侵略戦争の合理化を試み、戦争準備のために労働運動圧伏のために新装の労賃基金説を発明する。それは今日の吾々としては詳細に縷説《るせつ》する必要がないほど生
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