リー・ライスを一段と向上させなければならぬと考えた。しかしそういう知識の全くない私のことである。どうすれば最上の肉が得られるか、見当もつかない。よく肥えた最上の肉を納入せよと鳥屋に命じるだけであって、それ以上立ち入ることが出来なかった。するとある日一人のお客様が私に対して、
『お店のカリー・ライスはじつに美味しいが、惜しいことには肉がなってませんね』
さてはと思って私はなおくわしく肉の批評を乞うと、
『この肉は鶏舎飼いの鳥で、普通品です』
『いや、優等の肉の筈です』
と私が答えると、
『色が白くて、やわらかで味のないのが鶏舎飼いの証拠ですよ。上等の地どりなら色が赤くてもっと締って、味もはるかに優っている筈です』
そこで私は鳥屋を呼んで、
『最優良品という条件で、値も高く買っているのに、鶏舎飼いを納めるとは怪しからんではないか』
と詰問した。すると鳥屋は恐縮して、
『毎日これほど多数お使いになるのですから、地どりの上等だけで取り揃えることは困難なのです。時には御註文だけ揃わないことがあって、致し方なく普通品の中から上等のものを選んで混ぜることにもなりますが、どうか御辛抱を』
と
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