る要もないが、とにかく営業の進展とともに流動資本なども大きくなり、やむを得ず家屋を担保として銀行から借りねばならなかった。
 私は高利の金を使っては営業は立ち行かないと考えていたので、一割以上の利子は払わない方針であったのだが、保険金の内借りまでしてまだ足らず、ついに銀行から一割二分の利子で、ほかに借入れ手数料二分、期限の借換えの時に踊りと称して一ヶ月分の利子を取られたので、合計一割五分の高利を払って借金した。
 この高利には閉口した。ほかに預り金と貸家の敷金と、併せて九千余円の借金になった。この時のことである、私は国元へ墓詣りに行くと、父が八分の利子で人に金を貸している。それまで私は一度も父に金の話をしたことはなく、父もまた我々にいっさい干渉しなかったのであるが、なにぶんこちらも苦しんでいる時なので、父が銀行の高利な借金でも融通してくれたらと思い、話をして見た。すると父は、借金が九千円もあると聞いて驚き、『田舎の貴い金を、危い東京などに融通することは出来ない。ただしお前たちが東京でやりきれなくなった時は、何時でも帰って来るがよい。私は両手を開いて迎えてやるから』
 と、まことに父の言
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