に郊外へ伸びて出る関門に当っていますので、やがてはと直覚されるものがありました(以下略)
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その頃の新宿、角筈方面は辺僻な田舎であったが、私は断然決意してそこに店を開くことにした。そして本郷の方はその後店の功労者に譲ってしまった。爾来三十年間、今日に及んでいる。かくして当時の田舎だった新宿は、今や山の手の銀座といわれる程の発展を遂げている。禍い転じて福となる。というか、いささか今昔の感が深い。
新宿家相
店舗の適、不適が営業の盛衰に重大な関係を持つことは、何もいまさら私の発見ではありませんが、何がその規準であるかという点について、明答を与えた人は少ないようです。
照明がどう、ショー・ウィンドーは如何、売り場の作り方、ケースの高さ等々の点については研究している人々が多いが、店舗全体の品格とか、顧客の数とその店の広さなどについては、寡聞にして私はまだその数を聞かない。世間にはよくある例ですが、客が混み合ってきわめて手狭を感じ、当然拡張されてよいと思われる繁昌店が、一挙に三四倍に拡張してたちまち顧客を失い、まことに入り易く、親しみ深く感じられた日本家
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