、久しからずしてあまり変化がなくて無事に苦しむのである。これひとり我々の経験ばかりではない。一応都の生活を送った人は必ず同感であるだろう。世に無事安逸なほど苦痛なことはない。戦いの大きく必死の努力を要するほど快味いよいよ加わるものである。
[#地から1字上げ](「私の小売商道」高風館・昭和二十七年初版刊)
底本:「相馬愛蔵・黒光著作集4」郷土出版社
1981(昭和56)年6月5日初版発行
底本の親本:「私の小売商道」高風館
1952(昭和27)年11月25日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※誤りを疑った箇所は、原則として正しいと思われる形に書き替えた上で、底本の形を注記しましたが、以下は「ママ」とするにとどめました。
○「和気藹々」は、底本でも、底本の親本でも「和気靄々」で通っていたので、これが著者の意図した表記と考え、「ママ」としました。
○底本は親本にみる「膏盲」をなぞった上で「こうもう」とルビをふっていました。正しい形として、「膏肓《こうこう》」を選ぶか、「膏肓《こうもう》」とするべきか
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