この大切な、そして至難な新参時代の辛抱をなし遂げず、十中八九までは不成功に終るのである。これを雇主の側よりいう時は、中年者は普通の小僧よりも遠慮があって非常に使いにくく、年の割合に無能で用に立たず、それで人の命令に服従することが出来ず、実に厄介物である。ゆえに商家はいずれもこの中年者を排斥して雇入れるもの甚だすくない。それゆえもし将来全く商業に志を立てんとする者は、いわゆる頭の固まらざる十四五歳(貧富にかかわらず)を適齢として、初めから小僧として実習せしむるがよい。遅くも高等小学校卒業後ただちに着手しなければならない。なまじ中学校などの味を知ると、労働を卑しむ心が生じて、少年の進路を妨害する。皮相な学問くらい害毒をなすものはない。

    店員に日曜休暇を与うるの可否

 動物園の動物に月曜病という一或の病いがある。これは日曜日は例日より観客多くして、動物に食物をあまり多く与えすぎるより、胃腸を害して、翌日は病気を引起すのである。小僧や学生にもこの病気は普通である。
 上州のある製糸家の話に、工女に日曜の休暇を与えてからは、他の工場に比して病人は減少し、工女の手にただれの出来るのが甚
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