でいた。畢竟《ひっきょう》するに、働く者の立場を考えてやらねばならんと思う。
もうよほど昔の話であるが、ある大臣の隣家のおやじから聞いた話に、大臣の家は女中が六人いるが、始終いれ替り立替りして、いっこう長続きしない。なぜだろうと調べてみたところ、結局こういう訳だという。
大臣の家だから、来客が毎晩のように、夜の十二時、あるいは十二時すぎまでもある。ところが、その女中は六人が六人ながら、お客の最後まで付いていなければならんので、勤まらんと言う。朝は相当早く起きねばならんし、お給金が少々ぐらいよくったって、身体が続きません、と、まあこうゆう訳である。
で、私は、そんな馬鹿なことはないじゃないかと言った。私らあたりでも女中は三人いるが、一人当番をきめて、二人は早く寝せて、お客があった時は当番にさせる。それも十時以後には早く寝さして、家の主婦が面倒を見ることにした。すると、女中は替らなくてもすむ。六人あれば、二人ずつ当番を換えたらいいじゃないか。二人で結構まに合うのに、お竹、お茶を持って来いだの、お梅、お菓子持って来いだの、お松、肴を持って来いだの、というからみな寝るわけにはゆかない、当
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