った。朝七時から午後五時までの勤務時間中は、煙草一服も吸わず、冗談一つ言わない真剣さであった。彼はその頃もはや五十三歳であったが、謹厳なる態度とその緊張した行動には感嘆せずにはおられなかった。もし職工が機械を乱暴に扱ったり、仕事に忠実熱心でなかった場合には、たちまち百雷のような声で怒鳴りつけるので、職工達はふるえ上ったものだった。しかしその怒りは仕事の上での怒りであって、少しも私心がなかったから、職人達は喜んで彼の命に従っていた。
工場長である彼の心掛けがこういう風であったから、彼の下に働いた職人は彼の感化を受け、彼が来てからは物事がすべて整頓され、工場は見違えるばかりに綺麗な清浄なものとなった。そればかりではなかった。彼が技術以外に持っていたある崇高な精神が他の店員達によい影響を与えたことであった。
また彼は非常に器用な男で、従来の職人は自分の専門の技術については相当の知識もあり経験もあるが、技術以外のことになると、たとえ自分の仕事に密接な関係のあることであっても出来ないから、他の専門家に依頼しなくてはならない。たとえばスイッチを直すために半日も休業しなければならないという醜態を
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