潤沢な資本と近代的営業法を誇る百貨店が、最新式の機関銃を持つとすれば、一般小売商人はこれに旧式の火繩銃で戦っているのである。対等の競争は到底覚束ないものと言わねばならぬ。百貨店対小売商人の如き例は至るところに見出される。
 然るに今日では遺憾ながら、足の弱い駄馬が重荷に喘ぎつつ足の強い空荷の駿馬と競争しつつある現象が数多く見られる。世の不景気を知らぬ顔に収益を挙げつつある百貨店に比して、四苦八苦の個人店が約四倍の税金を負担しているのである。かかる社会的不公平はぜひ改めねばならぬ。為政者はもちろん、一般国民もかかる大多数を占むる中小階級に自由なる活動の余地を与えるために力を用いねばならぬ。

    小売商人の反省すべき点

 以上述べたことは、主として社会上、政治上のことである。しかし一般小売商人がただ税金を減じてさえ貰えば息を吹き返せるというのではもちろんない。強力な百貨店に対抗するためには、個人的の努力がどうしても必要である。時代の進展に応じて、それぞれの立場から経営法を研究して改良すべき点は改良せねばならぬ。今日小売商の没落は単に社会的不公正があるがためばかりではない。むしろ何ら
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