引受けてこれを締切りにしたのであって、その結果は、二十五日から三十日までの六日間、いささかの繁閑なく従って少しの無理をもせずして、他店よりも多額の注文を楽々引受けることが出来るようになり、しかも予約搗きであるから、原料米を前もって安価に仕入れられると同時に、また徹夜手当その他の労銀を著しく低減し得るので、顧客に対しても一割または一割半の廉価にて勉強する事が出来、双方とも大なる便益に浴するに至った。

    小さき者の生きる道

 私はこんな話を聞いた。
 この話手は、私の店に程近いある高等小学校の校長先生で、もう二十幾年も在職せられている方であった。
「今から十年以前と今日とを比べると、卒業生の心組みに大変な差異が認められるのです。当時は学校を卒業して上級学校へ行かぬものは、多くは家にあって商売手助けをするか、または、よその店に奉公して、やがては父親の業を継ごうという志があったから、卒業の際に生徒に訓えるにもまことに仕易かった。家業に精を出せ、主人に忠実なれ、とか言えばよかった。ところが今日校門を去り行く卒業生のほとんどすべてが今後何をなすべきか、その目的を持たず迷っている。というの
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