手当を与えるという親切なる注意があったために、独逸の官吏は英国の官吏に較べて、かえって成績が勝って居た」という事でありました。
なるほどこれは面白い事だと思いまして、これを自分の店にも応用して見ましたところ、大いに効果が挙りました。これは母校の賜と感謝して居る次第であります。
私の所の店員の俸給は、充分とは申せないのでありまして、三井、三菱では二三百円も与えて居るくらいの者に対して、ようやく五、六十円よりやって居りません。独身の間はこれでも充分で貯金まで致しますが、妻帯して一家を持ちますとこれでは足りませんから、別に家持手当として俸給の三割を与え、また子供が生れるとか、老人のある者には別の手当を与えます。これはかの独逸派を参酌したのであります。
夕食手当
私の所は食べ物を製造販売する店でありますから、店員はすべて朝も、昼も、夕方も皆店で食事をしてよい事になって居ります。これが習慣となって妻帯しても家庭で食事せず、やはり三食とも店でするのを見受けましたので、家持店員は夕食だけは必ず家に帰って家族と共に食事する義務ありと定め、その代り夕食手当を特に与えました。この取計いは
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