で、同じものが全国にいくつも建てられ、デンマークは今日では世界の模範国と称されるほどになった。それが僅か三、四十年前のことである。この学院もその国民高等学校の趣旨を少しくお手本に取ったものである。ここで諸君が仕事のかたわらの勉強によって、デンマークの学校と同じような効果が現れることになれば、諸君にとって、また我が日本国にとって非常によいことである。ここがうまく行けば余所《よそ》でも真似るようにならぬものでもなかろう。それは諸君の勉強の如何によるのである。こういう趣意であるから、そのつもりで奮発して下さい。
[#改丁]

 別記

    研成学院と往年の思い出

 私は自分の過去を語ることにはあまり興味がない。孫たちはだんだん大きくなるし、店には大勢の少年諸君が、希望に燃えて溌剌《はつらつ》として働いている。もし私によい思い出があって折にふれて話してやれるようだったら、私にとってもそれは明らかに喜びであるのだが、不幸にして私の過去は一向に味がなく、むしろ慚愧すべきもののみ多い。
 ところが今度中村屋は少年諸君のために学校を開いて、これに「研成学院」と命名した。私が幼年のころ学んだ小学校
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