フイデヤするものは畢竟《ひっきょう》、淡々たる光風霽月《こうふうせいげつ》の境地なのであろう、と何かこう羨しげな気持で、物凄い音響の律動を夢見心地に、他愛ない冒険譚の節々を、しばし彳《たたず》んだ儘《まま》思い起していた。
[#地付き](一九三六年十二月)



底本:「幻の探偵雑誌4 「探偵春秋」傑作選」光文社文庫、光文社
   2001(平成13)年1月20日初版1刷発行
初出:「探偵春秋 第一巻第三号」春秋社
   1936(昭和11)年12月号
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:川山隆
校正:土屋隆
2006年10月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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