は、いやおうなし、いなかのちいさな家にうつりました。そして、三人の男の子は、一日外に出て、すこしばかりある土地を耕《たがや》して、お百姓《ひゃくしょう》のしごとにいそしみました。末のむすめは、まい朝四時から起き出して、うちじゅうの朝飯をこしらえました。これは、はじめのうちたれも手つだってくれるものはなし、ずいぶんつらいしごとでした。でも、馴《な》れるとなんでもなくなりました。それで、ひとしきり片づくと、むすめは、本をよんだり、ハープシコード[#ここから割り注]ピアノに似た昔の楽器[#ここで割り注終わり]をならしたり、糸車をまわしたりしました。ふたりの姉むすめはというと、よくよくうまれつきのなまけものらしく、朝もおひる近くなってやっとおき出して、外へ出ることも、遊びに行く所もないので、一日ただだらしなくねそべって、ふくれっつらして、ぶつぶつ口|小言《こごと》ばかりいっていました。それで、妹のたのしそうに、せっせとはたらいているそばで、この子は女中のことしかできないのじゃないか、とけいべつするようにいっていました。
 こんなことで、どうにか一年立ちました。するとある日、町からしらせがとどい
前へ 次へ
全22ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ド・ヴィルヌーヴ ガブリエル=シュザンヌ・バルボ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング