がない。この方向から見れば、よくその人柄がわかるように思う。
 下らない、つまらない、小才の利く、おだてられれば思いもよらない働きをもするというような人間が、何がおもしろくって、この頃持て囃すのか、どこに興味があるのか、今日近藤勇をおもしろがって、皆が楽しむということを見て、我が国の今のありさまを悲しむのみならず、その心が続いていったならば、近い将来がどんなであるかと思うと、まことに悲しみが深い。



底本:「三田村鳶魚全集 第十七巻」中央公論社
   1976(昭和51)年9月25日発行
底本の親本:「江戸の実話」政教社
   1936(昭和11)年7月
初出:「日本及日本人」日本及日本人社
   1930(昭和5)年10月1日号
入力:大久保ゆう
校正:小林繁雄
2006年7月26日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全16ページ中16ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三田村 鳶魚 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング